ソフトバンクグループの財務状況 その4

DD) ソフトバンクグループ(親会社)の財務状況の見方

1.鍵はソフトバンクグループ(親会社)

今まで見てきたことからわかるように、ソフトバンクグループの財務の鍵は、事業子会社ではなく、親会社としてのソフトバンクグループにあるように見受けられる。

 

2.株主価値情報

ソフトバンクグループのホームページIR情報に”株主価値情報”というコーナーがあり、一株当たりの株主価値が数字が試算されている。

 

本日マーケットがしまった段階の例では

株主価値(¥10,661)= 保有株式(¥13,573)- 純負債(¥2,912)

との計算式があげられている。

そして本日の終値として¥3,692、純負債/保有株式(LTV)18%と付け加えられている。(注:LTVはLoan to Valueの略)

 

そして上記計算式の計算の説明が細かく注記され、最後に

”当社グループの想定であり、当社の普通株式を含むいかなる有価証券の価値や投資判断を示唆するものではありません。”とある。

 

会社としてのメッセージは以下であろう。

1.市場の株価は低すぎるのではないか? ¥3,692 < ¥10,661

2.借金は資産(保有株式)の18%に過ぎず、財務は健全だ

 

要は親会社としてのソフトバンクグループを完全に投資会社・ファンドとして捉え、バランスシートの左側の保有資産(株式)の価値と、右側の負債(借金)の額を比べ、左側が十分大きければ財務的に大丈夫、また株主の価値も大きい(株価は高いはず)という考え方である。

 

他にも見なければいけない点はあるのだが、今のソフトバンクグループの財務状況を検討する場合、結局このアプローチの妥当性に鍵があると思われる。

 

以上